◆湯布院が目指した方向性
当時は、温泉というと隣町の別府が大きな歓楽街もあり、とても賑やかでした。 湯布院も同じような事をすれば二番煎じですから歓楽型ではなく、保養型温泉地を目指した訳です。


すでに人材も揃っていましたので、旅館がそれぞれ競うのではなく“湯布院”というひとつのブランドを作っていこうと皆で考えました。

◆玉の湯のつくり施設のありかた
私は山が好きでしたので、そのような環境…街の真ん中に森を作りたいと思ったのです。 そしてそこに、鳥や昆虫が遊びに来たり、 花が咲いたりというような、雑木林のある宿を目指した訳です。

◆田んぼに作った雑木林の庭
今の玉の湯の中庭は、手入れをするというよりは自然の状態をお守りしています。

しかし最初のうちは大変でした。 元は田んぼだったところで木を育てるには向かないということでしたし、温泉もドンドン沸いてくるような土地でしたから庭造りには不向きでした。  そこで、 専門家に土壌検査をしていただきました。

   

地質などの専門家の友人が大勢いましたので「いいお酒があるよ。 美味いものがあるよ。 泊まれるよ。」などと言って、呼び込んだ訳なんです。 

◆街の真ん中に森をつくる
そうして『雑木林を作るには どうすればいいか?』『木を育てるには?』と言ったアドバイスをしていただいたのです。 
結果「自然に自生しているものを移植するのが一番いいだろう」ということなったのです。 
しかし、当時としては無駄としか思えない訳ですね。 そんな無駄な雑木林を造るよりも、建物を建てた方が宿泊客を得て、収益が上がるという意見が大半でした。

大変な費用を投入して3mくらい土を入れ替えた時、税務署の方が来られて「この土地購入費用はどこの土地買ってるのか?」と尋ねられました。 「ココの土地の土を入れ替えるための土を買いました」とお答えすると、あっけにとられていました。
   
けれども森を造るためには土を替えて、そしてその土地にあったものを、こしらえていくということ事を大事にしなければならなかったのです。